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当日編集(撮って出し)と事前制作の使い分け完全ガイド

第1章 まず理解したい「当日編集」と「事前制作」の違い

社内イベントにおける映像には、大きく分けて2つの種類があります。それが「当日編集(撮って出し)」と「事前制作」です。
当日編集とは、イベント当日に撮影した映像をその場で編集し、数時間後のエンディングなどで上映する手法。いわゆる“撮って出し”とも呼ばれます。社員の笑顔や感動の瞬間を即座に届けられるため、イベントの熱量を共有するのに最適です。

一方の事前制作は、イベント前に構成・撮影・編集を行い、完成版を当日上映するタイプ。企業メッセージやヒストリー、経営方針などを、しっかりとした構成と映像美で伝えることができます。

どちらが優れているという話ではなく、「目的によって最適な方法を選ぶ」ことが重要です。
感動を届けたいのか、情報を正確に伝えたいのか。あるいは両方をバランス良く実現したいのか。本記事では、その判断基準をわかりやすく解説していきます。


第2章 使い分けの判断基準 [ 5つのチェックポイント]

「どちらにすべきか分からない」と迷ったときは、次の5つの視点から考えてみましょう。

  1. 目的
     感情を動かしたい場合は“当日編集”が有効です。受賞の瞬間やリアクションをそのまま届けることで、会場全体が一体感に包まれます。逆に、経営方針の発表や企業理念の共有など“伝える内容の正確さ”が求められるシーンでは、事前制作が向いています。
  2. 鮮度
     「今日の盛り上がりを今日中に届けたい」という場合は、やはり当日編集が強いです。イベントの熱気をそのまま映像に閉じ込められます。
  3. 演出難易度
     CGやアニメーションなどを用いた映像演出は、当日制作では難しいため、事前制作に任せるのが安全です。
  4. 承認フロー
     経営層のチェックや複数部門の承認が必要な場合は、時間を確保できる事前制作が適しています。
  5. 配信先
     映像を社外向けに公開したり、長期的に利用したりする場合は、クオリティ重視の事前制作が安心です。

これらの5つの軸で採点してみると、判断が明確になります。
たとえば「感情:5点/鮮度:4点/演出:1点/承認:2点/配信先:1点」というイベントなら、当日編集の比重を高めるのが適切です。


第3章 実際の活用例で見るベストバランス

ここからは、実際のイベント事例をもとに、どのように両者を組み合わせると効果的かを見ていきましょう。

● 表彰式

オープニング映像やナミネート紹介ムービーなどは事前制作でしっかりと作り込み、受賞シーンや会場の反応は当日編集で上映します。感動と緊張が入り混じる空気の中で、自分たちの笑顔がすぐスクリーンに映る体験は、参加者の満足度を大きく高めます。

● キックオフ

方針発表ムービーなどの“軸”は事前制作で用意し、当日は現場の熱気を収めたダイジェストを上映。翌日には短いSNS版を社内ポータルにアップすれば、イベント後の熱量も維持できます。

● 周年イベント

歴史や功績を紹介するパートは事前制作で丁寧に構成し、当日は「今この瞬間の感動」を追加する撮って出し映像で締める。
この「過去×現在」の演出が、社員の一体感を最大化します。

● よくある失敗例と対策

  • 音声収録トラブル 録音機を2系統で運用し、常にバックアップ。
  • 承認遅延 チェック担当者を明確にし、校了ラインを事前に定義。
  • BGM権利漏れ 利用範囲を明記し、ライセンス素材を使用する。

第4章 制作の流れと現場運用のコツ

映像制作は、「準備で8割が決まる」と言っても過言ではありません。
それぞれの流れを押さえておきましょう。

● 事前制作の流れ

  1. 目的とメッセージを明確化
  2. 構成案・台本の作成
  3. 撮影(インタビュー・現場風景など)
  4. 編集(テロップ・BGM・ナレーション)
  5. 校了・納品

特に“誰に何を伝えたいか”を最初に固めることが重要です。

● 当日編集の流れ

  1. 事前にテンプレートやBGMを準備
  2. カメラ位置と導線を決定
  3. 撮影データを即時転送し、編集席で同時進行
  4. 仮編集を進めながら本番中に調整
  5. 上映直前に最終書き出し

当日編集ではスピードと連携が命。撮影チームと編集チームの役割分担を明確にし、導線を整理しておくことでトラブルを防げます。また上映前には、必ず音量・色味・同期を確認する“リハ上映”を行いましょう。


第5章 予算・体制・リスク管理を考える

映像制作のコストは、「人件費」と「機材費」で大きく変動します。
事前制作は撮影や編集工数が中心、当日編集はスタッフ体制や機材の冗長化がポイントになります。

● 規模別の目安

  • 小規模イベント 事前制作を最小限に、当日編集を中心に構成。
  • 中規模イベント オープニングは事前制作、エンディングを撮って出し。
  • 大規模イベント 世界観を事前に設計し、当日複数カメラで同時収録。

● 安全な体制づくり

当日編集では撮影2〜4名+編集2名体制が理想です。
さらに、カメラ・PC・ケーブルなどは必ず二重化
データは即座にバックアップを取り、トラブルに備えましょう。

また、肖像権や著作権の観点からも、撮影可否ゾーニングやNGリストの共有を徹底することが大切です。


第6章 イベント後の活用とまとめ

イベント映像は、上映が終わったら終わりではありません。
むしろ「ここからがスタート」と考えましょう。

映像は編集を少し加えるだけで、社内広報・採用・教育・SNS発信など、多目的に再利用できる資産になります。
たとえば以下のような活用が可能です。

  • 全社会議での共有
  • 新入社員向けのオンボーディング教材
  • コーポレートサイトでの文化紹介
  • 採用ページでの雰囲気訴求
  • SNSでのブランド発信

おすすめの組み合わせは、
「オープニング=事前制作」「ハイライト=当日編集」「エンディング=翌日SNS展開」。
この三段構成が、感情と情報のバランスを最も美しくまとめられます。

最後にまとめです。

  • 感情を動かしたいなら当日編集
  • メッセージを正確に届けたいなら事前制作
  • 両方を上手く融合させれば、映像は“熱と伝達力”を持つ最強の社内ツールになる

GROWSでは、企画設計から撮影・編集、当日の即出し運用、さらには翌日の再編集・SNS展開までを一気通貫でサポートしています。イベントを「一瞬の感動」で終わらせず、「次につながる資産」として残したい企業様は、ぜひご相談ください。

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