年間イベントで動画を最大活用する方法/年間スケジュールで考える企業動画戦略
企業で動画を使う機会は増えているものの、「作ったはいいけれど、その後どう活かせばいいのか分からない」という声をよく耳にします。単発で制作すると効果が続きにくく、せっかくの映像が一度きりになってしまうこともあります。この記事では、年間スケジュールに合わせて動画を活用する考え方や、企業でよくあるイベントとの相性、実際に成功している企業の取り組みをまとめています。動画をうまく活かしたいけれど、どこから手をつければいいか迷っている方の参考になるはずです。
動画活用は“単発制作”の時代から“年間設計”へ
企業で動画を使う場面が増えています。採用説明会、キックオフ、表彰式、内定者研修、周年イベント。気づけば一年のうちに、動画が必要になる瞬間は意外と多いものです。
ところが、現場の担当者に話を聞くと、
「動画をつくったのはいいけれど、その後どこにも使い回せなかった」
「採用でも使えると言われたけど、内容がイベント向けすぎて使えなかった」
といった声がよく出てきます。
これは決して担当者のミスではありません。
多くの企業が“単発で動画を作る”という発想のままで止まってしまっているからです。
一方、動画活用がうまい企業は、動画を年間スケジュールとセットで考えています。年間を通してテーマをつなげることで、動画が“積み上がる資産”に変わり、採用・広報・文化浸透の全てに効果が広がります。
動画は単体で完結するコンテンツではなく、「一年を通じて企業の姿を伝える装置」なのだと実感する場面が増えています。
年間イベントと動画活用の関係性/なぜ相性がいいのか
企業の年間イベントを整理してみると、動画と相性が良い理由がすぐに分かります。
- キックオフ → 会社の方向性が一番明確になる日
- 表彰式 → 価値観が可視化される日
- 総会 → 組織全体が同じ場所に集まる日
- 研修・内定者イベント → 共通理解をつくる日
- 周年イベント → 歴史を振り返り未来を語る日
これらは企業にとって「文化」がもっとも表に出る瞬間です。
動画で切り取る価値が大きい理由はそこにあります。
実際、ある物流企業では、毎年の表彰式で撮った撮って出し映像を翌年の採用説明会でも流しています。受賞者の表情や仲間が称える場面が伝わり、学生から「この会社の空気感が一番分かった」という感想が多く寄せられたそうです。
別のメーカーでは、総会の様子を短くまとめた動画を社内ポータルで配信したところ、現場社員から「会社の方向性が理解しやすい」と反応が増え、翌年の研修参加率が上がったという例もありました。
動画と年間イベントは、“文化を共有する場”という意味で、非常に親和性が高いのです。
年間スケジュールに沿って活用する動画の種類
一年の流れを追うと、動画にはいろいろな役割が生まれます。
ここでは特に効果の出やすい6つを紹介します。
1. キックオフ動画:方向性を一気に浸透させる
年の初めに経営陣のメッセージや方針を動画で伝えると、全社員がスタート地点を共有できます。動画にすると「伝わったつもり」では終わらないのが大きな利点です。
2. 表彰式動画:称賛文化を形に残す
努力した人の表情や仲間の拍手は、文章よりも動画のほうが強く届きます。
ある企業では、表彰式の撮って出し映像が翌年のモチベーションアップに直結しています。
3. 研修・内定者動画:理解の個人差をなくす
現場の仕事風景を動画で見せるだけで、理解スピードが大きく変わります。
内定者にとっては「働く姿が想像できる」ことが安心材料になります。
4. 周年イベント動画:歴史を“物語”として記録する
周年は振り返りと未来の宣言の日です。歴史動画や社員の声をまとめると、後から見返した時に、その会社の“物語”が一目で分かります。
5. 採用動画:リアルな空気感を伝える武器
作り込みすぎた動画よりも、イベントで撮影した自然な表情のほうが学生に刺さります。
「笑い声まで含めて社風が伝わる」という声は非常に多いです。
6. 日常ドキュメント:小さな出来事の積み重ねが文化になる
忙しい企業でも、月に一度3分ほど撮るだけで、半年後には“会社の素顔”が映った動画が蓄積されます。
これが年間動画戦略の土台になります。
動画を“資産化”するための年間設計ポイント
動画は作った瞬間がピークではありません。
大切なのは「一年のなかでどのようにつなげていくか」という視点です。
効果を出す企業ほど、次のような工夫をしています。
● 一本のテーマを持つ(例:挑戦、人、現場)
テーマがあると、動画同士にストーリーが生まれます。
例えば“挑戦”をテーマにした企業では、
- キックオフ → 経営陣の挑戦
- 表彰式 → 社員の挑戦
- 採用 → 新しい挑戦者を迎える物語
と自然につながります。
● トーンをそろえる(映像の雰囲気・音楽・テロップ)
毎回雰囲気が違うと世界観が散ります。
映像の統一感は、継続する中でジワジワ効いてきます。
● 素材を“貯めておく”意識を持つ
撮影した素材は使わなかった部分も後で活躍します。
半年後のイベントで再利用するケースはよくあります。
● 年次ハイライト動画をつくる
一年の動画をまとめた“ハイライトムービー”は、社員の満足度が非常に高いです。
「ああ、今年もいろいろ頑張ったな」と自然と感じられる映像になります。
動画活用がうまい企業の共通点(実例入り)
動画が自然に運用されている企業には、いくつかの共通点があります。
1. 動画の役割を“先に決めている”
ある製造業では、年初に
「採用で使う動画」「表彰式で使う動画」「社内広報で使う動画」
のように目的を事前に整理しておきます。
そのおかげで、撮影の迷いがなく効率が非常に良いそうです。
2. イベント企画と動画企画がセット
動画のことを後から考える企業は撮影が“おまけ”になりがちです。
うまい企業は、イベント企画段階で既に
「どこの瞬間を残すか」を決めています。
3. 年間テーマを少しずつ育てる
毎年テーマをゼロから作るより、同じテーマをアップデートする方が深みが出ます。
5年分の動画が並ぶと、企業の進化がよく分かります。
4. 内製と外注の線引きがはっきりしている
全部を社内でやる必要はありません。
- 社員インタビュー → 内製
- イベント撮って出し → 外注
というように分けると継続しやすいです。
5. 動画を“文化づくりの道具”として扱っている
ある企業では、月に一本だけ“現場のスナップ動画”を社内に投稿しています。
それだけでコミュニケーションが増え、新入り社員が会社に馴染むスピードも早くなったと聞きました。
年間計画の注意点:詰めすぎると続かない
動画活用は魅力的ですが、気を付けないと“計画倒れ”になります。
よくある落とし穴がこちらです。
● 本数を詰め込みすぎる
月1本など無理にノルマを設定すると、制作が義務になり、文化づくりの意図が薄れてしまいます。
● 現場の負担を忘れてしまう
撮影は意外と時間を取ります。
ある企業では撮影が増えすぎて「現場が疲弊してしまった」という反省もありました。
● 計画が堅すぎると方向転換がしにくい
年度途中で事業方針が変わることもあります。
動画の年間計画は“余白”を残しておくのが正解です。
年間動画戦略は企業文化を形に残す“記録”になる
動画は、作った瞬間よりも積み重ねた先に価値が出るメディアです。
一年間で撮影した映像が並ぶと、会社の歩みや人の変化、挑戦の積み重ねが驚くほどわかりやすく見えてきます。
社員にとっても動画は大きな力になります。
スピーチの表情、表彰の涙、現場の笑い声…。
それらが一本の線でつながっていくと、
「この会社で働いていて良かった」と感じる瞬間が増えていきます。
Brand Stock Moviesでは、年間の動画設計から撮影、撮って出し編集までワンストップでサポートしています。
初めて年間動画に挑戦する企業でも無理なく始められるよう、現場の忙しさを踏まえて伴走します。


